2026.05.01相模原ライフ相模原イベント&スポット情報 vol.0

【相模原市獣医師会】よりよいペットとの暮らしが、よりよいまちづくりにつながる。

「日本一動物と暮らしやすい街相模原」をめざし、日々さまざまな活動をしている「一般社団法人相模原市獣医師会(以下:相模原市獣医師会)」。今回、代表理事の椿先生に、活動内容やペットとのよりよい暮らし方、さらには2029年の新設が予定されている市内の動物愛護センターの構想まで、ペットにまつわるさまざまなお話をお聞きしました。ペット好きの方はもちろん、いつかペットを飼ってみたいと思っている方も必見の内容です!

動物愛を原動力に、地域の獣医師がさまざまな活動を実施!

・約682万頭(犬)

・約884.7万頭(猫)

※出典:一般社団法人ペットフード協会(2025年時点)

 

これは、日本における犬と猫の飼育頭数です。

ものすごい数ですね!

 

現状このように多くの人がペットを飼育していますが、地域の「獣医師会」の活動にふれたことのある人は、きっと少ないはずです。

 

そこでこの度、相模原市獣医師会の代表理事である椿先生に、その活動内容などをお聞きできる機会をいただきました。

 

相模原市獣医師会は、市内に関係する獣医師74名と、賛助会員11団体によって構成された組織です(2025年6月現在)。

あらゆる生き物の健康を守り、人々の健康と地域社会の繁栄を追求することを使命として活動されています。

 

まず椿先生からは、具体的な活動内容をお話しいただきました。

 

椿先生「私たちは『日本一動物と暮らしやすい街相模原』を掲げており、すべての活動はこれをめざすための啓発活動の一環となっています。たとえば、小学校への出張授業がそのひとつです。先般はモルモットの心臓の音を聞くなどの体験授業を通じて、命の大切さを学んでもらいました。また長寿のペットを表彰する式も年に一度開催しています。ペットの写真をスライドで上映するなどして、家族にとって心温まる時間を過ごしてもらっています」

  • 相模女子大学小学部での出張授業の様子。
  • 長寿動物表彰式の様子。

他にも、負傷した動物の受け入れ先としても獣医師会が機能していて、主に会員が所属するクリニックが対応。

不定期にて、地域の学園祭などのイベントに出向き、ブース出展も行っているそうです。

 

特に獣医師は、それぞれの動物病院での通常業務がありながら、プラスしてこれらの活動を行っています。

 

その精力的な姿勢に頭が下がる思いがするのと同時に、ここまで聞いただけでも会員さんたちの動物愛を感じずにはいられません!

ペットを飼うと健康になり、医療費が下がる!?

取材に応じていただいた椿先生with猫ちゃん。

獣医師会の精力的な活動を聞くと、ペットを飼っている人にとっては非常に心強いですし、これからペットを飼ってみたいと考えている人にとっても後押しになる存在なのではないでしょうか。

 

続いて椿先生から、そんな人の背中をさらに押してくれるような、ペットにまつわる興味深いお話を聞かせていただきました。

 

椿先生「ペットを飼うことには、多くのメリットがあると考えています。ある研究では、犬を飼う人が多い街のほうが、そうでない街よりも犯罪率が低いと報告されています。ここからはあくまで推測ですが、番犬的なことから、散歩による見回り、地域内でのネットワーク強化などの要因が考えられます」

 

たしかに、言われてみればそんな効果がありそうなことは、なんとなくわかりますよね。

犬を飼うことが地域の治安に影響するとは、驚きです。

 

 

椿先生「また別の研究では、犬を飼っている高齢者は医療費が平均の半分程度になる、というデータが出ています。散歩で足腰が鍛えられることや、犬のお世話をするために生活リズムが正されることなどが影響するのかもしれません。加えて、ペットと目が合うだけでオキシトシンという愛情ホルモンが分泌されることは広く知られていますし、家族間の仲をつないでくれる存在として、会話が弾むきっかけにもなっています。そうしたことから、メンタル面へのプラスの効果もあると考えられます」

 

心身の健康にもつながっているとは、さらに驚きです。

健康のために自分の意思で何かを継続するのは難しいですが「一緒に暮らすかわいい犬のためだから散歩に行こう!」なら、なんだかがんばれそうな気がするのもわかります……。

 

ペットを飼うって、本当にいろいろなメリットがあるみたいですね!

ペットを飼う人は、子どもの頃にペットを飼っていた人が多い。

ペットとよりよく暮らしていくためのコツのようなものはあるのでしょうか。

そんな質問にまず返ってきたのは、ペットの安心安全でした。

 

椿先生「基本的なことですが、まず犬の場合はケガ防止のために床を滑りにくくしてあげることが大切です。猫は落ち着ける隠れ場所を確保してあげるとよりリラックスしてくれるのでオススメです。また猫に関しては、高い場所から落下してケガをすることも少なくありません。吹き抜けがある家などは安全対策してあげると安心です」

 

これまで数々の病気やケガをしたペットを見てきた椿先生からだからこそ言える、説得力のあるお話です。

 

椿先生「日々気をつけていても、長く一緒に暮らしていれば何かの拍子でペットに問題が起きてしまうことはあります。そのためにも、やはりすぐに相談できるかかりつけ医を持つことは大切です。人間も同じですよね。普段からよく知っている先生に診てもらうのが、対応も早く、確実ですから」

 

 

ちなみに、椿先生が個人的に思う、これからぜひペットを飼ってほしい世代があるそうです。

 

椿先生「お子さんがいるご家庭ですね。ペットを飼っている、もしくは飼いたいと思っている人って、実は子どもの頃にペットを飼っていた経験のある人がとても多いんです。きっとペットを飼う魅力を感覚的に知っているからですね。近頃は動物飼育をする小学校が減っていて、お子さんが定期的に動物とふれ合う機会が少なくなっていますから、ペットを飼うことの価値は高いと思います。死んでしまうことを考えると……などと言う方もいますが、むしろ命の大切さを知ることにつながります。もっと言えば、長ければ20年近く一緒に過ごすことになるのですから、その時間が楽しくなったり豊かになったりするというポジティブな側面に、ぜひ目を向けてほしいですね」

ニャンと!猫専門の動物病院「たんぽぽキャットクリニック」。

取材場所にもなった「たんぽぽキャットクリニック」。

椿先生は、普段は相模原市中央区田名にある「たんぽぽキャットクリニック」の院長として獣医師業務に従事しています。

 

クリニックは猫の診療に特化しているという、市内でも珍しい猫専門の動物病院です。

cat first(猫ファースト)を理念に掲げ、猫にやさしい診療をしている点が、大きな特徴のひとつです。

 

椿先生「たとえばワクチンは、抑えつけて無理やり注射するようなことはしません。猫がなるべく不安や痛みを感じないように、何かで気を逸らせているうちにサッと終わらせるようにしています」

クリニック内には待合室をはさむようにして2つの保護猫シェルターが。

また、保護猫シェルターが併設されていることも特徴的です。

管理は保護猫活動団体「たんぽぽの里」がしているそうですが、シェルターはクリニックの一角にあるため、院を訪れればいつでも気軽に保護猫を見ることができます。

先生自身も現在12頭の保護猫と暮らしているとのことで、保護猫のことにも精通されています。

 

椿先生「もしかしたら、これからペット、特に猫を飼いたいと思っている人にとって、保護猫は有力な選択肢と言えるかもしれません。ある程度性格や体の大きさがわかったうえで猫を選べるので、飼ってからの戸惑いが少ないでしょうし、社会貢献にもなります。少しでも気になったら、ぜひ一度見に来てみてほしいですね」

 

何かあったら「たんぽぽキャットクリニック」が頼れますし、近くにお住まいでペットを飼おうか考えている人がいたら、ぜひ選択肢のひとつに!

相模原市内に待望の動物愛護センターが新設へ!

「日本一動物と暮らしやすい街」を掲げる相模原市獣医師会として、どんな未来を描いているのか。

そんな質問を投げかけたところ、具体的かつ希望にあふれる将来像が語られました。

 

それが、相模原市内における動物愛護センター設立のお話です。

これまで相模原市には動物愛護センターがなく、平塚市内にある県の施設を借りているような状況が続いており、相模原市獣医師会としての悲願だったそうです。

 

動物愛護センターの主な機能のひとつが、保護犬・猫の収容、獣医療の提供、譲渡までの管理。

それを、全国でも数少ない獣医学部を擁する麻布大学の敷地内に施設を建設することで、市と大学が共同で運営していく方針にメドが立ったとのことです。

 

椿先生「現在、2029年の運営開始をめざして協議を続けています。市と大学が連携して運営することで、市は運用コストの低減、大学は教育の質の向上という、双方ともに大きなメリットを享受できます」

 

近年、多くの大学の獣医学部では、世間から批判の強い動物実験を避ける傾向にあり、実際に動物の手術を一度も経験することなく卒業する学生も少なくないそうです。

VR技術などを駆使して近い体験はできるようになってはいるものの、即戦力になる獣医師を育てるのはどうしても難しいのだとか。

 

そこで、保護犬・猫の去勢・避妊手術、ワクチンの投与などを学生たちが実習として行うことで、本来市が負担していたそれらの手術費用を削減することができます。加えて、獣医学部の学生は動物にふれながら学ぶことができ、より実践的な技術が身につけられるため、双方にメリットが生まれます。

 

 

市内に獣医学部を擁する大学があったからこそできた構想ですが、話はさらに広がりを見せました。

 

椿先生「施設内にペット関連の博物館や科学館としての機能も持たせて、たとえば小学校の社会科見学で活用してもらったり、犬のお試し飼育体験なども実施したりして、地域とつながりのある施設とすることもめざしています。期待しているのは、市民がペットをより身近に感じたり、ペットへの理解が広まったりしていくことです。市としては直近、多頭飼育崩壊を防ぐため、犬と猫の多頭飼育届出制度がスタートし、6頭以上を飼う場合の届出が義務化されました。これもあり、私たちの掲げる『日本一動物と暮らしやすい街相模原』に着実に近づいていっていると思いますね」

 

 

ペットとともに暮らしていくことは、もちろん楽しいこと、うれしいことばかりではありません。

時には困ること、悲しいことも起きますし、飼う人は自分たちだけでなく、地域のことまで考えて暮らすことが求められます。

 

大変なことも多いですが、だからこそ獣医師会のような存在があることで、私たちは今日も安心してペットとの豊かな暮らしを続けられているのかもしれませんね。

 

現在猫を飼っている筆者としても、参考になることの多い取材となりました!

「日本一動物と暮らしやすい街相模原」の実現が、着実に近づいてきています。

 

 

●相模原市獣医師会 ホームページ

https://www.sagamihara-vma.com/

 

●たんぽぽキャットクリニック ホームページ

https://tcc.neko-chan.net/

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