2025.12.09インタビュー&レポート住み心地インタビュー vol.43
広さ、明るさ、心地よさが揃った、理想にこだわった家。
2024年12月、相模原市内に注文住宅を購入したK様ご夫婦。当初はリビング、駐車場、庭など「広さ」を重視されていましたが、いざ家づくりが始まるとほかにもこだわりたいポイントがいくつも出てきます。吹き抜け、ニッチ、間接照明、生活動線などなど盛りだくさん。土地探しからこだわり抜いた家づくり、そして現在の住み心地まで、たっぷりとお聞きしてきました。
めざしたのは、とにかく広い家。
外観。大きな採光用の窓が印象的。K様邸があるのは、最寄駅から少し離れた住宅街の一角。
閑静なエリアながらも、少し歩いたところにはスーパーやコンビニ、飲食店がいくつも並び、生活利便性の高い立地です。
取材当日はお昼過ぎに到着し、K様ご夫婦に丁寧に出迎えていただきました。
さっそくお宅の外観写真を撮影しようとカメラを向けると、まだ夕暮れでもないのにK様邸の窓がややオレンジがかって見えます。
実はこちら、ブロンズに着色された二重構造の窓ガラスで、光を反射しやすく日中に室内が見えにくくなるそうです。加えて優れた断熱効果も兼ね備えているとのこと。
なるほど、デザイン性、断熱、プライバシー確保の一石三鳥の窓。
最初のお話から感心しきりでしたが、ここからの取材でさらにその何倍も感心することになりました!
門柱前の素敵な植栽は、ご主人様の自作。
門柱のすぐ後ろに、シックな佇まいの玄関。
間接照明と正面のエコカラットがオシャレ。
玄関を入って左手に大容量のシューズクローゼット。趣味のアウトドアグッズが収納し放題。
通勤の利便性も考え、ご主人様が生まれ育った相模原エリアを軸に、2022年頃に家探しがスタート。
ご主人様「妻が電車通勤なので、駅近のマンションも検討しました。ところが、例えば橋本駅周辺はリニア関係で地価が上がっているためか予算が合わなかったり、駐車場の制限が多かったりで、なかなかピンとくる物件がありませんでした」
特に駐車場は、仕事用とプライベート用の2台分を必須条件としていたご主人様。
双方のご実家ともに庭付き一戸建てだったということもあり、自然と選択肢は戸建てへと絞られます。
奥様「建売も考えたんですが、いくつか内見してもパターン化された間取りが多くて、広い家もありませんでした。2人とも実家の庭でBBQができたので、そのくらいの広さはほしいなと思っていました」
大きな庭は全面デッキに。BBQものびのび楽しめる。そんな折、ご夫婦のもとに朗報が舞い込みます。
ご主人様が仕事で付き合いのある方から「いい土地がある」と紹介されたのです。
ご主人様「土地を探していることは前から伝えていて、その方が不動産業にも精通していることも知っていたのですが、まさかとは思いましたね」
広さや立地条件、周辺環境などを確認すると、これまでにないほど理想的なものでした。
奥様「求めていた広さ、日当たりのいい東南角地、きれいな四角形。それに駅からは少し離れているんですが、バス停が近くて本数も多かったので……もう即決くらいの感じで決めました」
ご主人様「紹介された土地は美都住販さんが売主だったのですが、実は美都住販さんには仕事でもお世話になっているんです。その実力は知るところでしたので、家の建築も安心して任せられると感じたことも、即決に至った理由のひとつですね」
ポイントは、ほんの少しのグレー。
たっぷり採光できる大きな窓と吹き抜けがポイントのLDK。
キッチン側から。
室内なのに空がたっぷり見られて開放的。
家づくりの最初のキーワードとなったのは「広さ」と「明るさ」です。
仕切りのないLDKに、大きな吹き抜けとこれまた大きな窓をいくつも設置。もともとの広さに開放感が加わり、より広々と感じる大空間に仕上がっています。
奥様「陽がたくさん入る明るい雰囲気の家がよかったんです。そのおかげなのか冬はずっと暖かかったので、ほぼ暖房を使いませんでした」
ご主人様「キッチンが下がり天井のように見えるんですが、これが本来は通常の高さで、ほかを高くしているんです。そこも全体の開放感につながっていると思います」
2人でも悠々使える広々キッチン。
料理中でもテレビが見られる。
両サイドに備え付けの棚がある便利なパントリー。かわいいアクセントクロスは奥様がチョイス。
K様邸では、ご主人様がメインでキッチンを使われているそうで、こだわりもご主人様の意見がより反映されています。
ご主人様「妻よりも帰る時間が早いから自然とそうなっただけなんですけどね。こだわったのは木目調の天井と、使いやすいIH、それとやっぱり広さです。2人で並んで作業したり、すれ違ったりもラクラクできて、快適に使えています」
奥様「キッチンからテレビが見たいので、あえてIHの前には壁を設けませんでした。全体が広く見えるし、隠せないからこそこまめに掃除しなきゃって思えるんです」
大きなリビングに、大きなテレビ、大きなソファ。至福のリラックス空間。リビングから全体を見まわしたときの「〇〇風」などとたとえられない絶妙なオシャレ感。
その正体が、奥様のお話から見えてきました。
奥様「せっかく注文住宅を建てるので、建売にない雰囲気にしたいという思いが強くて、何を選ぶにも『これは建売では見ない』がひとつの基準でした」
よく見ていくと、ベースとなっているフローリングやクロスは、わずかにグレーがかっています。
広く見えるからとの理由で、クロスなどは無意識に白を選びがちですが、ほんの少しだけトーンを変えることで、上品かつほかにない空間演出ができるのだそうです。
そのセンスに脱帽です。
「すべての家におすすめしたい生活動線です」
こだわりの予感しかない水まわりスペース。
LDKとはメリハリをつけ、洗面はホテルライクに。
洗濯機と乾燥機がある脱衣室の隣にクローゼット。洗濯物がすぐにしまえる!
扉ではなくロールカーテンにすることで見た目がスッキリ。
照明にもこだわったオシャレ空間のトイレ。
打ち合わせを重ねていくうちにこだわりポイントが増えていったと話すご夫婦。
特に奥様は、洗濯まわりの動線をより細かく考えたそうです。
そこでたどり着いたのが、洗面室、脱衣室(洗濯機設置)、ファミリークローゼットが、リビングからぐるぐる回遊できるレイアウトです。
洗濯物は乾燥機で乾かし、隣のクローゼットにそのまま収納するだけ。
朝はここを一周するだけで身支度完了。
たしかに、いっさい無駄のない、使いやすさ抜群の動線です。
奥様「住んでみて間取りのよさを一番実感したのは、この動線です。これから注文住宅で建てる人全員におすすめしたいくらいです(笑)」
お掃除ロボットが出入りできるクローゼット。この子の動線も考えられている……。
構造上柱が必要だったところ、逆に本数を増して飾り柱に。オシャレさも◎。
ニッチの主役は、ブーケを再現したアメリカンフラワー。奥様が「絶対にほしい!」と強く希望していたニッチ。
アクセントクロスとタイルのW使いで、クロス側はスイッチ類をまとめて利便性を、タイル側はスポットライトも入れてインテリア性を高めています。
寝室。間接照明のやわらかい光が就寝時間にちょうどいい。間接照明をふんだんに取り入れているK様邸。
もともとは奥様がデザイン性を優先して各所に取り入れたものですが、この寝室ではそれに加えて、より快適で心地よい空間にするために取り入れられました。
「寝ているときに直接照明が当たらず調光もできるので、目にやさしくて寝る場所にぴったりだと、住んでみてわかりました。これは提案していただいた仕様なので、本当にありがたいです」
家づくりの満足度は、こだわり抜いたことへの自信と直結する。
陽が落ちるとバーのようにムーディな雰囲気になるキッチン。お酒好きのご夫婦にぴったり。あらためて相模原の住み心地をお聞きしてみました。
ご主人様「相模原は都会と自然のバランスがとれた地域だと思いますが、そのなかでもここは本当にそれを実感できる場所だと感じますね。キャンプやスノボなどにも車で出やすいですし、何をするにもいい場所です」
奥様「実家が田舎なので、生活面で便利になったのはもちろんですけど、意外と坂が少ないところも暮らしやすさのポイントになっているのかなと思います」
間接照明がやわらかく照らしてくれることで、夜も空間が真っ暗になりすぎないため安心。最後に、家づくりを振り返ってもらうと、聞かれたのはお詫びと満足の言葉でした。
奥様「特に間取りの打ち合わせは、2か月間くらいほぼ毎週していました。毎回2パターンくらい見せてもらい、少しずつ修正してもらって……本当に申し訳なかったなと思うくらいです」
ご主人様「でもだからこその今があると思います。家づくりで妥協した部分があるかと聞かれたら、はっきり言ってゼロです。そこまでこだわり抜いた自信があるから、本当に満足できるこの家に今住めていると思うんです」
取材が終了する頃にはすでに外が薄暗く、秋の日の短さを実感しました。
帰り道、終始笑顔で家づくりの話をされていたご夫婦の顔が思い出されます。
ご夫婦の明るくあたたかい雰囲気が、そのまま反映された家だったな。
そんなことを感じずにはいられない取材となりました。


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