2019.01.31相模原ライフ子育てママ必見!相模原の教育事情 vol.4

相模原市内の大学へ行ってみよう!〜女子美術大学相模原キャンパス〜

自然豊かな環境と周辺都市へのアクセスの良さから、多くの大学がキャンパスを構える相模原市。今回は日本で唯一!女子だけの美術大学である「女子美術大学」の相模原キャンパスを見学してきました。

日本で唯一!女子だけの美大には古い歴史があった

今年創立119年になる女子美術大学。実は、女子美術大学は日本で最も歴史のある私立の美大なんです。

女子が高等教育を受けられる機会がほとんどなかった明治時代、女性の自立を理想に掲げた教育者・横井玉子氏らが女子のための美術学校を現在の文京区に開校したのが始まりです。

キャンパスの中心にある、創立者の横井玉子先生像と佐藤志津先生像

以来、数多くのアーティストやデザイナーを輩出してきた女子美術大学。文化勲章を受章した片岡球子さん(日本画家)、文化功労者の大久保婦久子さん(皮革工芸家)、ほかにも、ハローキティのデザイナーである山口裕子さんやアートディレクターの野田凪さん、女優の賀来千香子さんも女子美出身なんですよ。

現在、女子美術大学のキャンパスは杉並区と相模原市に分かれています。広大な敷地を持つ相模原キャンパスには、洋画、日本画、立体アート、美術教育、芸術文化、ヴィジュアルデザイン、プロダクトデザイン、環境デザイン、工芸など様々な専攻が設置されていて、広々とした空間でじっくりと制作に取り組むことができます。

企画展やワークショップも楽しめる女子美アートミュージアム

大学の構内には女子美アートミュージアム(通称JAM)が併設されています。

県立相模原公園や市立相模原麻溝公園に隣接しているため、休日は公園に遊びに来がてら美術館まで足を運ぶ人も多いそう。年間を通して様々な企画展を開催しており、「さがみ風っこ展」の会場になったりと、地域にも開かれた美術館なんです。

さがみ風っ子展は相模原市で40年以上続いている美術展です。小中学校の生徒による作品を中心に、2万点以上に及ぶ作品が展示されます!

日本最大級の規模を誇る、屋外美術展。相模原市の恒例イベント「さがみ風っ子展」に行ってみました

美術館に入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、イタリアの彫刻家、ジュリアーノ・ヴァンジ作「金髪の娘」。女子美術大学に通う学生をイメージして作られた像なんですって。ノーベル生理学・医学賞を受章した大村智先生が2014年に寄贈したもの。こちらの像は常設なので、美術館に来たらぜひチェックしてみてくださいね。

この時開催していたのは「女子美術大学退職教員記念展」。橋本弘安先生(女子美術大学副学長、芸術学部長、美術学科日本画専攻教授)とヤマザキミノリ先生(アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域教授)の作品が展示されていました。

岩絵具や天然顔料研究の第一人者・橋本弘安先生の展示
立方体万華鏡研究を牽引するヤマザキミノリ先生の展示

日本画で使う岩絵具の元である鉱物も見ることができました。ラピスラズリやマラカイトなどの美しい鉱物を細かく砕いて粒子状にし、膠液(にかわえき)などと混ぜて絵の具にするのです。

驚いたのは、鉱物だけじゃなくて、どんな石でも細かく砕けば絵の具になるということ。

会場には、実際に石を砕くことができるスペースが設けられていました。ナットの中に小さな石を入れて力をかけると、石が細かく砕けて砂つぶのように。これが色の元になるんですね。
自分の手を動かしてみることで、「本当に石が絵の具になっちゃうんだ!」と実感することができました。
ちなみに、「天然岩絵具制作キット」は女子美で販売しているようです。

相模川の石の色を解説する橋本弘安先生

ちょうど会場にいらした橋本弘安先生が相模川の石の色を見せてくれました。写真左上が相模川。他は多摩川、境川など。こうやってみると川に転がっている石にもたくさんの表情があるのがわかりますね!

女子美術大学には、このように様々な素材から顔料を作り出す「顔料創造ファクトリー」なる施設があり、最先端の研究・開発が行われているそうです。作品を描いたり作ったりするだけじゃない…美術って奥が深くておもしろいですね。

■女子美アートミュージアムの基本情報

【開館時間】 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
【休館日】 日曜・祝日・展示替期間
【入館料】 展覧会ごとに異なる(学生、未就学児、65歳以上、身体障害者手帳をお持ちの方は無料)
【URL】https://www.joshibi.net/museum/

美術館来場者も利用可!おしゃれなカフェのような学食

続いてやって来たのは学生からも「おいしい!」と評判の学食です。2016年に全面リニューアルした食堂は、まるでおしゃれなカフェのよう。

学生はもちろん、美術館来場者も利用OKとのこと。作りたてのおいしいメニューがお手頃価格で味わえる学食はみんなにとって嬉しい存在ですよね。

この日の日替わりランチは、温玉ビビンバ丼(400円)、ベーコンとブロッコリーのトマトソースパスタ(450円)、白身魚の唐揚げピリ辛中華あんかけ(500円)。他にも、カレーライス(300円)やきそば・うどん(310円)などのメニューが揃っていました。

挽きたてのコーヒーやスイーツ、焼きたてパン等のカフェメニューも充実しています。平日は17時までオープンしているので、講義のあとものんびりカフェタイムが楽しめますね。

■学生食堂の基本情報

【営業時間】 11:00~17:00(土曜日11:00~14:30) ※短縮営業期間有り

キャンパス内を散策するとあちこちにアート作品が!

構内を散策してみると、たくさんのアート作品を目にすることができます。学生たちが展示できるスペースが構内に用意されていて、さすがは美大といった雰囲気です。
この時には、大学院洋画研究領域2年生伊藤夏実さんの作品が展示されていました。鮮やかな色彩に思わず目を奪われます。

本格的な吹きガラス工房もありました。奥の方では学生さんが熱心にガラス作品を制作している姿が見えます。

工芸棟の入り口には、大きな陶芸作品がたくさん並んでいました。構内のあちこちで芸術が爆発(!)していて学生達の熱い創作エネルギーをビンビン感じます。

敷地内の花壇に生えていたのは和紙の原料になるミツマタの木。3つに枝分かれしながら成長するので「ミツマタ」と呼ばれているそうですよ。実際に授業でこのミツマタから和紙を作ったりすることもあるのだとか。

ちょっと構内を歩くだけでも学びになるものがいろいろあって、大学って本当におもしろいですね。

地域住民向けのアート・セミナーや卒業制作展も見逃せない!

女子美術大学のキャンパスはいかがでしたか?

女子美術大学では地域住民に向けた「アート・セミナー」も開講しています。普段は入れない美大の施設を使って、日本画、水墨画、機織りなど、専門的な技術や教養を学ぶことができます。高校生以上であれば、年齢・男女を問わず受講可能。小学生や親子を対象とした楽しい講座もありますよ。

女子美オープンカレッジセンター
https://occ.joshibi.net/

また、3月には大学生活の集大成である卒業制作展・修了制作展が開催されます。平面・立体の作品をはじめ、工芸作品からインスタレーションまで、学生達のパワーみなぎる作品の数々を見ることができます。
この機会にぜひ女子美術大学に足を運んでみてくださいね。

・女子美術大学 芸術学部・短期大学部 学内 卒業制作展
2019年3月9日(土)~11日(月)10:00~16:00
※3月10日(日)は、オープンキャンパスin卒業制作展も同時開催

・女子美術大学 大学院 博士前期課程 学内 修了制作作品展
2019年3月10日(日)~17日(日)10:00~17:00(入館は16:30まで)

・芸術文化専攻卒業研究要旨発表会および大学院博士前期課程修士論文発表会
2019年3月9日(土)
会場:相模原キャンパス 224教室
大学院博士前期課程論文発表会:10:30~
芸術文化専攻卒業研究要旨発表会:13:00~

■女子美術大学 相模原キャンパスの基本情報

【住所】神奈川県相模原市南区麻溝台1900
【電話】042-778-6111(代表)
【アクセス】小田急線相模大野駅から神奈川中央交通バス「女子美術大学行」約20分
※相模大野駅発、女子美術大学行きは曜日時間帯によって、バス乗り場が異なりますので、ご注意ください
JR横浜線古淵駅から神奈川中央交通バス「女子美術大学行」約15分
【URL】http://www.joshibi.ac.jp/

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