2026.08.25相模原ライフ相模原グルメ vol.3

【715BAKERY】みんなの朝に、ちゃんと「おいしい」を。相模原で進化し続けるパン屋さん。

今回訪れたのは、JR横浜線相模原駅から徒歩15分ほどのところにあるパン屋「715BAKERY」さん。2020年に食パン専門店としてオープン後、少しずつパンの種類を増やしながら進化を続け、地元民に愛されています。実は70年近く市内の学校給食用のパンも提供している老舗企業が出している店舗ということで、ますますその実態が気になります。取材では、店主の金子さんにオープンに至った経緯やパン作りにかける想いなどをお聞きしました。記事の最後には実食レポートも掲載。取材内容も食レポも盛りだくさんでお届けします!

老舗パン工場が手掛ける、食パン専門店。

外観。大きな看板がありわかりやすい。

「相模原にはこれといった名物がない」なんて思っていませんか?

 

そんなあなたは、きっとまだまだ相模原を知らないだけ。

むしろ、いいものがたくさんあるからこそ「これ」とならないだけなのかもしれません。

 

今回紹介するパン屋さん「715BAKERY」さんのパンも、そのひとつです。

 

2020年に食パン専門店としてオープン。

高級食パンが流行していた当時から時は経ち……多くの店舗が閉店の道をたどったなか、現在も人気店として営業を続ける「715BAKERY」さんは貴重な存在です。

 

そんな人気店の秘密を探るべく、そしてパンの美味しさを自ら確かめるべく、取材に向かいました!

JR横浜線相模原駅の南口からさがみ夢大通りをまっすぐ歩くこと約15分。

「シャトレーゼ清新店」さんのある交差点を右に曲がるとすぐ。

 

フランス国旗のトリコロールカラーを基調としたロゴがかわいらしいお店が「715BAKERY」さんです。

 

扉を開けた瞬間、パンのい~い香りがブワァッと押し寄せます(パン屋さんに入店する瞬間って、なんて幸せなんでしょう)。

 

手前のカウンターには惣菜パンが並び、奥の大きな棚に看板メニューの「715食パン」を入れた紙袋がズラリとセットされています。

 

 

あたたかみのあるオシャレな内装の「715BAKERY」さん。

実は創業から70年近く相模原市内の学校給食にパンを提供してきた「有限会社吾妻堂」さんが手がける実店舗なのです。

 

「吾妻堂」さんは、現在も市内35の学校給食用に1日1万食程度の食パン、コッペパン、ロールパンなどを提供している、老舗中の老舗。

 

そんな給食パンの工場が、どんな経緯で店舗をオープンするに至ったのでしょうか。

お話をお聞きしたのは「吾妻堂」さんの3代目となる店主の金子さん。

金子さん「もともと家業を継ぐ気はまったくなくて。パンとは無縁の業界で接客業を10年ほど続けていました。それでも幼少期からパンは好きで、ずっといろんなパン屋にはよく足を運んでいたんです」

 

店舗を開くという決断に至ったのは、本当にきっかけがなく、まさに“降りてきた”ような感覚だったそうです。

 

金子さん「なんの前ぶれもなく、あるときふと『パン屋がやりたい!』と思い立ったんですよね。そのまま家業を継ぐのではなく、直接お客さんに販売できる『パン屋』がいいなと。長年接客業をしてきたこともあってか、お客さんの笑顔が見られるところに魅力を感じていました」

 

 

2年ほど県外のパン屋で修行し、2020年にあらためて「吾妻堂」の一員に。給食パンの工場隣に店舗を開くことにしました。

店舗のコンセプトや形態を考えるなかで、金子さんが選んだのは当時流行していた食パン専門店というスタイルでした。

 

金子さん「流行に乗りたかったわけではありません。安心安全でおいしいパンを毎日提供するという仕事を、私一人で管理できるという部分が大きかったですね。家業である給食パンの製造と並行させる必要がありましたから、ミニマムスタートできる事業形態は理想的でした」

 

その後ブームが終わり、多くの高級食パン専門店が撤退するなか「715BAKERY」さんは現在も変わらず支持されています。

その納得の理由が、このあとアツく語られました!

進化の秘訣は、お客さんの存在にアリ。

かわいい紙袋。ちなみに店名の715は、金子さんの誕生日に由来。

食パン専門店を始めるにあたり、当然ながら食パンの研究開発には相当の力を注いだそう。

もちろん家業や修行先でのレシピはあったものの、それらだけに頼らず自らの手で試行錯誤。

 

金子さん「素材や製法などを変えながら、1日に何十本も、それをひと月くらい毎日のように繰り返しました」

 

1日10本だったとしても、ひと月で約300本。

すでに家業や修行先でのノウハウを持ったうえでこの熱量とは……そりゃあおいしいに決まっていますね!

 

たどり着いたのは、無添加で最上級の国産小麦粉と「湯種製法」の組み合わせ。

ふんわりとやわらかく、モチモチとした食感があり、小麦本来の香りと甘さが引き立つ、そのまま食べたいリッチな食パン「715食パン」が完成しました。

 

また、なるべく地元の食材を使いたいとの想いから、たとえばたまごを使用する際は相模原の「たまご街道」のものを仕入れているそうです。

※食レポは記事後半でたっぷりお届けします!

現在お店には、種類は多くないながらもカウンターにさまざまな惣菜パンが並んでいます。

少しずつ数が増えていったとのことですが、ひとつのきっかけが“気まぐれ”で作っていたあんぱんだったそうです。

 

金子さん「時間に余裕があるときにだけ『シェフの気まぐれあんぱん』を販売していたのですが、当初からすごく売れ行きがよかったんです。お客さんから『今日はもうないの?』と言われることが多くて。今では気まぐれではなく、ほぼ毎日出していますね(笑)」

 

そうしてお客さんの声に応えつつ、日々実験的に少しずつバリエーションを増やしていった結果、現在は食パン専門店とは思えないほど、いろいろな種類のパンが楽しめるようになっています。

 

 

ちなみにこちらの惣菜パン、ほぼすべてに食パンの生地が使われているのが大きな特徴です。

通常はそれぞれのパンに合わせて生地を変えるのですが、あえて食パン生地を使用することで個性を出しているそう。

 

食パン専門店だからこその惣菜パン。

こちらも食べるのが楽しみです!

なんとワンちゃん用のスコーン。冷凍販売で、お店で解凍してもらうこともできる。

金子さん「あるときお店の前を犬の散歩コースにしている人が多いことに気づいたんです。それで今年から『ワンちゃん用スコーン』を始めました。すでに毎週、犬を連れながら買いに来てくれる常連さんもいて、うれしい限りです」

 

専門店だからといって、食パン、なんならパンだけに固執しない。

柔軟な発想のもと、お客さんをよく見たり、声を聞いたりしながら少しずつ進化してきたからこそ、今なおこうして人気店であり続けているのだと感じました!

クマ型の氷がオンされたドリンクその名も「クマ氷」。爽やかなサイダー風味のブルーハワイは、子どもたちを中心に大人気なんだそう。

イベントに出店します&工場直売も実施しています!

お店の未来をどう見据えているのかと聞くと、ここでも当然のごとくお客さんを想った金子さんの言葉が並びました。

 

金子さん「オープンがコロナ禍だったのでいろいろな苦しさもあったのですが、その当時から通ってくれているお客さんもたくさんいることはありがたいですし、お店の誇りなんです。だからそんなお客さんたちにもこのお店をもっと誇りに思ってもらえるように成長していきたいです。たとえば、パン祭りなどのイベントに出店して、少しでも多くの人に知ってもらうことにも力を入れています」

 

●9/25(金)~28(月)開催 わたしのパン日和@小田急百貨店町田店 5階催物場

●10/3(土)開催 さがみはらパンまつり@淵野辺公園

 

この秋だけでも上記2つのイベントへの出店が決まっています。

イベント限定のパンも用意されるそうなので、お時間がある方はぜひチェックを!

過去にイベントで出されたパン。かわいい!

新しく知ってほしいという思いがある一方、近隣に住むお客さんに対しても強い想いがあるようです。

 

金子さん「今来てくれているお客さんの多くは近くに住む方なので、やはりそこは引き続き大切にしていきたいと思っています。これには地元に対する恩返しのような気持ちもあります。仕事関係で10年ほど相模原を離れていたのですが、帰ってくるとやっぱり住みやすいです。買い物など生活面では困らないのはもちろん、車、電車、さらに今後はリニアの駅まででき、多方面へのアクセスがいいところも魅力ですよね。私が生まれる前から家業を続けてきた地でもありますし、学校給食に関してもこれからも安心安全、そしておいしいパンを提供していきたいです」

  • お店の裏手にある工場。工場直売でパンが買える特売会はこちらへ。
  • 特売会で買えるパンの一例。給食の味はもちろん、惣菜系のパンも。

現在、主に毎週火曜と木曜にて学校給食用のパンを工場直売で楽しめる「特売会」を開催し、近隣の多くのお客さんから喜ばれています。

すぐに売り切れてしまうことが多いそうなので、早めの到着が吉です!

 

またこちらの工場、夏休みなど長期休みの期間は稼働することが少ないため、その分「715BAKERY」さんの商品開発に利用することが多くなるそう。

そしてその試作品はよく「特売会」に並べられるとのことで、もしかしたら発売前の新しい味にいち早く出会えるかも!?

 

金子さん「よく『相模原にはこれといった名物がない』と聞くんですが、すごく悔しいんです。おこがましいかもしれませんが、いつか当店のパンがそうなれるように、がんばっていきたいと思います」

 

いつか「相模原といえば715BAKERYのパンだよね」と言われるようになるその日まで。

進化が止まらない「715BAKERY」さんのこれからに、ますます期待してしまいますね!

「715BAKERY」さんのパン、実食レビュー!

食レポ用にどっさり購入!
  • 715食パン。持つとなかなかのずっしり感がある。
  • Kuma食パン(チョコ)。かわいらしい見た目とチョコの風味で子どもに人気。
繊細に、そして力強く、生地がほどけていく!

帰宅後に購入したパンを食べながら、さっそく食レポをスタート!

※あくまで筆者個人の感想です。

 

まずは看板メニューの「715食パン」。

 

袋を開けたとたんに、芳醇な小麦の香りがブワァッと。

まさに記事前半でお伝えした「パン屋さんに入った瞬間」のごとく力強い香りにいきなり圧倒されます。

 

そんないい香りに包まれるような心地のなか、いざ実食。

「まずはちぎってそのまま食べてほしい」と金子さんから伝えられた通りにしてみました。

 

噛み始めはスッと吸い込まれるようにやさしく、パンの耳を感じないほど。

そのやわらかさが独特で、空気を含んだものではなく、生地そのものがやわらかい印象です。

生地のしっとり感が強く、モチモチとした弾力があり、かなり食べ応えがあります。

抜群の食感とともに噛めば噛むほど小麦の風味とほんのりとした甘みが口いっぱいに広がる……。

 

筆者はまたひとつ、人生に幸せを見つけてしまいました(笑)。

 

 

クマの顔の形をしたその名も「Kuma食パン(チョコ)」は「715食パン」にチョコ風味を加えたもの。

 

こちらも同じく美味。

そのままでも抜群においしいのですが、食パンらしく甘すぎないので、個人的にはマーマレードなど酸味系のジャムと組み合わせ、よりチョコの風味を引き立てても美味しそうだと感じました。

 

現在はそれほど多く販売されていないようで、出会えたらラッキー。

秋には黒糖とサツマイモバージョンが販売される予定とのことなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

  • 左からレーズンパン、あんぱん、塩パン。
  • 左から枝豆塩こんぶチーズパン、カレーパン2種(ココナッツ、蜜芋)。

「食パンの生地を使用している」という惣菜パンは、まさにどのパンもその強みを生かした味に仕上がっていたのが印象的です。

 

たとえばオープン当時から人気が続く「シェフの気まぐれあんぱん」は、甘さ控えめのあんがポイント。

生地の小麦本来の甘さもよく感じられ、この上品な甘さは他ではなかなか味わえません。

 

その点では「むっちりぶどうのかくれんぼパン(レーズンパン)」も方向性は同じ。

レーズンの酸味がアクセントになりつつ、やはりパン生地のほどよい甘さをメインにしているので、いつまでも食べ続けられる味です。

 

 

また、より生地の特徴を活かせていると感じたのは「塩パン」と「枝豆塩こんぶチーズパン」の塩味コンビ。

生地のほんのりとした甘さをぐっと引き立てる意味では、塩系の惣菜パンは相性がよく、個人的には「塩パン」が影の主役と思えるほどの逸品でした。

 

 

最後に、ココナッツと蜜芋という2種類のカレーパン。

ココナッツ入りのカレーはかなりスパイシーな仕上がりながら、やはり生地の甘さとのバランスが◎。

甘さと辛さの無限ループがこれひとつで叶うという、魅惑のカレーパンです。

 

もう一方のお子様向けに作られたという蜜芋ですが、これは衝撃。

カレーの辛さを感じないほどゴロゴロ入った蜜芋が甘く、そこに生地の甘さも添えられる。

つまり風味はカレーなのに、味はスイーツという、確実に今まで食べたことのない味でした。

一瞬驚きましたが、数口進めるとけっこうクセになり……実は、次に訪れたら買いたいパンNo.1です。

トースターで焼き、ラスト1〜2分あたりでバターを乗せ、とろ〜り。

翌朝は「715食パン」をトーストに。

味は、筆者が前日の実食から最もおいしいであろうと考えた、バター&岩塩のシンプルセット。

 

トースターの中で焼き色が付く頃から広がる小麦とバターの香りは、前日の開封時と同じレベルのインパクトです。

カリッとさせた外側から、バターのジュワッとを経て、しっとりモチモチの生地という食感のコントラストが絶品。

岩塩のピリッとした塩味が生地のやさしい甘さと共鳴し、鼻からは常に幸せの香りがゆるやかに抜けていく。

 

常連さんたちは、いつもこんな朝を過ごしているのでしょうか。

なんとも羨ましい!

 

 

地域のみんなの朝に、ちゃんと「おいしい」を届ける。これが「715BAKERY」さんのコンセプトだそう。
今回の取材を通じて、その想いを有言実行していること、そして筆者が感じたような幸せな時間を届けていることがわかりました。

 

 

●715BAKERY ホームページ

https://715bakery.com/

まとめ

いかがでしたか? 今回は地域に根ざしたパン屋「715BAKERY」さんををご紹介しました。食パン専門店としてスタートしながらも、少しずつパンの種類が増えているという進化を続けるおいしいパン屋さんが身近にあることは、近隣で暮らすファミリーにとって非常に魅力的ですよね。

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