2026.03.27インタビュー&レポート住み心地インタビュー vol.0

【PONO BOAT】地域にカフェを!気軽に“おしゃれ”パン屋さん。

相模原市中央区田名にある木下動物病院のほど近く。ベイカーズカフェ「PONO BOAT(ポノボート)」さんが、店舗を新築して2025年10月にオープンしました。お店では、焼きたてのパンやコーヒーなどを、イートインとテイクアウトのどちらでも楽しむことができます。今回は、店長の木下さんに店舗建築の経緯やこだわり、オープン後のお客さんの反応、そしてパンづくりやお客さまへの想いなど、内容盛りだくさんでお聞きしました。

予想以上にオシャレになってしまったベイカーズカフェ。

白を基調としたきれいな外観。スロープを設けて、バリアフリーに。
  • 通りを挟んで向かい側に動物病院。
  • 大きな看板がわかりやすい目印。

相模原市田名で40年以上、この地域に住む多くの飼い主さんに愛され続けてきた木下動物病院さん。

その向かい、もともと駐車場だった場所にオープンしたのが、今回取材するベイカーズカフェ「PONO BOAT」さんです。

 

訪れてみると、イマドキのオシャレカフェをイメージさせる、白を基調としたスタイリッシュな外観が印象的です。

ところが、店長の木下さん曰く「本当はそこまでオシャレにしようと思っていなかった」とのこと。

 

その真相や、いかに。

このあと詳しくお伝えしていきます!

扉を開けると右側中央にパンが並ぶ。ふわっとパンのい~い香りが。
左側がレジ。パンの香りに後ろ髪を引かれながら、まずは2Fへ。
お話を聞いた2階のイートインスペース。天井が高く居心地のいい空間。

「カフェのない地域だからこそ、カフェができたら喜んでもらえると思った」

お話をうかがった店長の木下さん。

店長の木下さんは、もともとはパン教室や料理教室の講師をしていました。

転機となったのは、木下動物病院を経営しているご親族からの誘いでした。

 

木下さん「動物病院の駐車場で患者さんが長時間待つこともよくあり、病院として何とかしてあげたいと以前から考えていたそうです。そんななか数年前、私に『カフェをやってみないか』と相談がありました」

 

急転直下、自分の店を持つチャンスが木下さんに舞い降りてきます。

ただ、店を持ちたいとはそこまで思っていなかったそうです。

 

 

悩んだあげく、最終的に木下さんを突き動かしたのは、地域のみなさんへの想いでした。

 

木下さん「よくよくこのエリアのことを考えてみると、ふらっと気軽に立ち寄れるカフェがないなと思ったんです。私自身カフェが好きですし、その意味では動物病院の患者さんだけでなく、近隣の方々にもきっと喜んでもらえると思い、この話を引き受けることにしました」

  • ドリンクのみのテイクアウトは外から可能。
  • テイクアウトを待つ間、リードを掛けておけるかわいいフック。

最初は自分1人でできるテイクアウト専門店を考えたそうですが、地域には高齢の方も多く、座れる場所をつくったほうが喜ばれるだろうと、現在のカフェスタイルにすることを決めたのだとか。

 

自分のやりたいことよりも、お客さまのことを優先するという、商売人の鑑と言いたくなるような考え方ですね!

先のことまで考えたフレキシブルな設計。

店舗の建築に際しては、知人を通じて知った建築会社2社から検討。

木造でデザインの自由度が高いこと、地元企業ならではの対応の早さや安心感から、美都住販が選ばれたとのことでした。

 

そうして2024年2月、お店づくりがスタート。

運営元は動物病院となるものの、特に内装などのデザイン関係はほとんど木下さん主導で決めていかれたそうです。

 

まずはこだわったポイントを伺いました。

 

木下さん「一番は、真っ白な外観です。白って、他の色と違ってイメージをこちらから主張しないというか、見る人に委ねられる色だと思うんです。そんなフレキシブルな印象があったので、途中でお店の方向性が多少変わってしまってもいいかなって。私は味噌も自分で作っているのですが、たとえば将来お味噌汁を出すようなお店になったとしても、白は受け入れてくれると思ったんです(笑)」

 

外壁の色にただ明るさや清潔感などの見た目で選ぶのではない、深く考えられた理由があったんですね!

重厚な木の扉を開けて入ることが、特別感につながっている。

木下さんが外壁と同じくらい強くこだわったのが、重厚な木製の扉でした。

 

木下さん「お客さんに気軽に入ってほしいという気持ちとちょっと矛盾するんですけどね(笑)。でもやっぱりお店としての特別感もあってほしいと思って。すっと入れるよりも、ちゃんと扉を開けて入るほうが『日常なんだけどちょっと特別な場所』を感じられるような気がしたんです」

  • 眺めのいいテラス席も。
  • 将来を見据えて外階段を設置。

木下さん「テラスと外階段の設置も希望しました。開放的な飲食スペースを想定しただけでなく、将来2階のイートインスペースを、たとえばトリミングルームにしたり、ペットのしつけ教室にしたり、別の事業もできるかなと思ったんです。そのときに外階段があれば、パンを売るスペースと入り口を分けられるので」

 

外壁の色にテラスの使い方まで。

将来のさまざまな可能性を考え、非常にフレキシブルな設計になっています。

店づくりの最大のテーマは、オシャレすぎないこと。

内装やデザイン性にテーマなどはあるのか。

そんな質問を投げかけたところ、返ってきたのは「オシャレすぎないようにすること」という、意外な言葉でした。

 

木下さん「ここは都会ではないので、オシャレすぎると入りにくい雰囲気が出てしまうと思って。なので、各所に個性を出しすぎないように心がけました。特に2階は家のリビングのように、安心してくつろげるような空間をめざしました」

 

記事冒頭の木下さんのコメントには、こんな想いが隠されていました。

ただ、オープン後はお客さまから連日のように「オシャレですね」と言われ続けたと、木下さんは笑います。

それでも、お客さまたちは「オシャレすぎて入れない」ではないので、ひとまず作戦成功だと感じました!

 

 

また、1階と2階でテイストを変えたところもこだわりだそうです。

 

木下さん「1階はやっぱりパンが主役ですからね。それ以外はさほど目立たないようにある程度シックな装いを意識しました。奥にはカウンターを設けて、時間のないお客さまがサッと飲食を済ませられるように。対して2階は、温もりのある空間にすることで、リラックスして過ごせる雰囲気にしています」

1人でも利用しやすいカウンター席。
  • 2階。大きな窓からの景色が◎。
  • 1階からは動物病院側が見える。

木下さん「大きな窓をつけたいとも思っていました。外の景色が1枚の絵みたいに見えて素敵だと思ったんです。1階にも2階にもあるので、それぞれで見比べてみてほしいですね」

パンを焼く厨房はレジ奥に。

肝心のパンを焼く厨房は、レジ奥に設けられています。

厨房の設置は本来、専門会社が行うことが多いのですが、木下さんはできる限り自分たちで進めていったそうです。

 

木下さん「最終的には専門会社さんに少し調整してもらいましたが、おおよそのレイアウトは自分たちで考えてやってみました。内装デザイン含め、やっぱり自分が働く場所のことですから、考えたり決めていったりする作業は楽しかったですね」

「人を喜ばせたい」の想いが形になったお店。

オープンして半年ほどが経過した「PONO BOAT」さん。

これまでのお客さまの反応や、実際に運営してみて改めて感じたことなどをお聞きしました。

 

木下さん「飲み終えた空のカップを持ち帰ってくれたお客さまがいて、ちょっと感動しました。何を隠そう、私も初めてスタバに行ったときに同じことをしたんです。ちょっと特別な場所のものって、憧れがあるんですよね。ここは近くにカフェがないので『カフェに来たのは初めて』という若いお客さまも多くて、そんな体験を提供できているならうれしいなと感じました」

建物内のすべての照明を1箇所で管理。

木下さん「働いてみて便利に感じたのは、照明のスイッチを2階の分もまとめて1階で操作できるところです。ここは美都住販さんに提案いただいたところだったので、さすがだなと思いました。内装を決める際も『きれいだけど汚れが目立ちますよ』などプロの視点でアドバイスをいただけたことが、細かい部分で効いている気がします。2階やテラスに設置した防犯カメラもよかったと感じたもののひとつです。どうしても2階を見られないタイミングは多いので、便利だし安心です」

一番のおすすめは、みんな大好きメロンパン!

せっかくなので、パンづくりへのこだわりや、おすすめのパンもお聞きしてみました!

 

「PONO BOAT」さんでは、大きく2種類のパンを買うことができます。

ひとつは「白神こだま」という天然酵母を使用したパン。酵母自体に甘さがあり、砂糖などを大量に使うことなく、酵母の風味とともに自然な甘味が感じられます。

もう1種類は、イースト菌を使用したパン。ある程度食べ慣れた味を楽しみたい方はこちらを選ぶとよいそうです。

 

木下さん「パンは、お子さんからお年寄りまで誰もが楽しめるように、スパイスなどが強すぎないやさしい味と、やわらかな食感を心がけています。近くの養鶏場『おがわのたまご』さんの卵など、なるべく地元の食材を使うことも意識していますね。なかでもおすすめは、白神こだまの甘さと風味をよく感じられるメロンパンです。また、私は北海道出身なので、向こうでは定番のちくわパンなどもぜひ食べてみてほしいです」

 

サラダやスープ、デザートが楽しめるランチメニューもあるので、気になる方はこちらもどうぞ!

  • ペットと一緒の方は、動物病院駐車場の一角で飲食できる。
  • 木下動物病院の敷地内には、広いドッグランも。

ちなみに木下動物病院では、動物の治療だけでなくトリミングをしたり、ドッグランでワンちゃんを遊ばせたりすることも可能です。

トリミングの待ち時間に、もしくはドッグランでワンちゃんが遊ぶ姿を見ながら「PONO BOAT」さんでゆっくりする過ごし方もできますね。

なおドッグランの利用は会員制となっているそうなので、ご興味がある方は木下動物病院にお問い合わせください。

 

 

最後に「PONO BOAT」さんの今後について、想いを語っていただきました。

 

木下さん「近隣の多くの方々に長く愛されるお店でありたいと思っています。動物好きな人もそうでない人もハッピーにしたいので、飲食スペースもうまく分けて確保しました。来た人の日常がちょっとだけ楽しく、うれしくなるような場所であれたらいいですね。ひとまず店舗は理想的なデザインにすることができたので、これからは特においしいパンやドリンクなど、よりお客さんに喜んでもらえるメニューの提供に力を入れていければと思います」

お土産にたくさん買ってしまいました!個人的には白神こだまのやさしい風味が最高でした!

帰り際。

ふとした会話の中で、木下さんの人生観にもつながるような興味深いお話を聞くことができたので、ご紹介します。

 

木下さん「実は、パン屋さんとかカフェ自体にそこまで強いこだわりはなくて、たまたま手段として私にできることと求められることが一致しただけ、という感覚なんです。何よりも『人を喜ばせたい』が、私の最大のモチベーションです。実家が飲食業をしていて、お客さまのご要望に応じて喫茶店、居酒屋、ライブハウスなどいろいろ変化していたのを見てきたので、その影響もあるのかもしれません。なのでこれからも、お客さまの求めることで、私にできることであれば、どんどん取り入れていきたいと思います。すでに一部ランチでは、パンではなくライスを提供しているんですよ(笑)」

 

誰もが気軽に立ち寄れるお店。

誰もがおいしく食べられるパン。

「PONO BOAT」さんは、たくさんの人を喜ばせたいという木下さんの想いがそのまま形になった場所でした!

 

これからも何年もかけて、そして少しずつ変化しながらも、この地域に変わらないおいしさと居心地のよさを提供し続けてくれそうな予感がしました。

 

 

●PONO BOAT インスタグラム

https://www.instagram.com/pono_boat/

 

●木下動物病院 ホームページ

https://kinoshita-animal-hospital.jp/

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